草の根・人間の安全保障無償資金協力「パラオ幼稚園送迎バス整備計画」署名式

2020/3/9
2020年3月5日、在パラオ日本国大使館にて、令和元年度草の根・人間の安全保障無償資金協力による「パラオ幼稚園バス整備計画」の署名式が執り行われました。式典には、大使館側から荻野臨時代理大使が、またパラオ側からパラオ・コミュニティー・アクション・エージェンシー(PCAA)のボウマン所長他、同団体理事等が出席しました。

パラオには政府運営の幼稚園や保育園といった施設はなく、PCAAが実施するヘッド・スタート(幼稚園)及びチャイルド・ケア(保育園)が、パラオで唯一、就学前の幼児を対象とした無料教育施設になっています。同団体は、コロール州に4園、バベルダオブ島に5園、ペリリュー州に1園の計10園の幼稚園を運営しており、主に低所得世帯の幼児や身体障がい児を対象に質の高い就学前教育を行っているほか、健康診断、栄養、社会的サービス等の多面的な支援を行っています。また、低所得世帯を対象としているため、自家用車をもたない家庭も多いことから、スクールバスによる送迎を行っています。

同団体は、合計10台のスクールバスを所有し、各園にそれぞれ配置しています。その中でも、パラオ最大の島であるバベルダオブ島のアルモノグイ園とマルキョク園でそれぞれ使用されているスクールバス2台は、老朽化によるエンジントラブル等の故障が頻発している状況です。この2園が運用するスクールバス2台は、10園の中で最も通園区域が広く、毎日の走行距離が約150キロと長いことに加え、通園区域内の道路は未舗装道路が多く、道路状況が悪いことが故障の原因となっています。老朽化したバスの車内は、エアコンが使えず、雨天時には天井から雨漏りがするなど、乗車する園児の安全面の問題を抱えている上、通園路には携帯電話の電波が届かない箇所もあることから、このような場所でバスが故障し動けなくなってしまった場合、救助を呼ぶ手段がないことが懸念されています。そもそも、スクールバスがなければ、就労を必要とする低所得家庭の親が子供を預ける機会を失ってしまい、生活に大きな支障をきたすことになります。以上のことから、園児の通園環境を改善するとともに、低所得家庭の親の就労の機会を確保するため、新たなスクールバスの整備が喫緊の課題となっています。

供与額870万870円の本件協力を通して、PCAAのアルモノグイ園とマルキョク園に対し、15人乗りのスクールバスがそれぞれ供与されます。これにより、園児の通園環境が改善されるだけでなく、園児の親の就労機会促進が期待されます。

パラオでは、平成11年に初めて草の根・人間の安全保障無償資金協力が実施され、本件は82件目の案件署名となりました。