草の根・人間の安全保障無償資金協力「パラオ共和国中古消防車・中古救急車整備計画」
令和2年2月20日
「パラオ共和国中古消防車・中古救急車整備計画」引渡式(消防車)
2020年2月18日、コロール消防署にて、令和元年度草の根・人間の安全保障無償資金協力による「パラオ共和国中古消防車・中古救急車整備計画」の消防車の引渡し式が行われました。式典には、当館から柄澤大使、パラオ側からオイロー副大統領兼司法大臣、副大統領府職員及び司法省関係者が出席しました。
司法省公安局消防・救助課は、パラオで唯一消火・救助活動を行える組織ですが、同課が所有する消防車はいずれも1980年製と古いものです。消防士・整備士による定期的な点検・整備が行われていますが、車両の老朽化のため故障が頻発し、消防士の消化活動に支障が出ているため、車両の整備が同課にとって喫緊の課題になっています。
本件無償資金協力により供与された消防車は、今年の東京オリンピックでパラオ選手団のホストタウンの1つに登録されている宮城県蔵王町からの寄贈品であり、日本での整備・改造を行った後、パラオに輸送されました。本件協力では、車両の操作・整備方法の指導員派遣に供与された資金が使用されています。この協力により、救急・消防隊の能力が強化され、迅速な消化・救命活動につながることが期待されます。


操作方法研修
「パラオ共和国中古消防車・中古救急車整備計画」引渡式(救急車)
「パラオ共和国中古消防車・中古救急車整備計画」引渡式(救急車)
2019年9月27日、コロール消防署にて、令和元年度草の根・人間の安全保障無償資金協力による「パラオ共和国中古消防車・中古救急車整備計画」の救急車の引渡し式が行われました。式典には、当館から柄澤大使、宮城県蔵王町から村上町長、パラオ側からオイロー副大統領兼司法大臣、副大統領府職員及び司法省関係者が出席しました。
同国の公安局消防・救助課の所有する消防車は、消防士・整備士により定期的な点検・整備が行われていますが、車両の老朽化によるエンジントラブルなどの問題が頻発しています。また、救急車も大きな事故発生時に対応できる車両の絶対数が不足しています。パラオで唯一消火・救助・救急活動を行える同課が所有する車両がこのような状態にあることは、国民の安全な暮らしを脅かしており、車両の整備が同課にとって喫緊の課題になっています。
消防車は日本において改造中のため、今回は救急車のみの式典が、多数の関係者に見守られながら行われました。なお、本件で供与される車両2台は、来年の東京オリンピックでパラオ選手団のホストタウンの1つに登録されている宮城県蔵王町から寄贈されたものです。また、救急車の引渡式に合わせ、宮城県蔵王町の村上町長と関係者が来訪したほか、同町から特別救助隊員と救急救命士の2名が派遣され、現地救急・消防隊員への救急車両の維持管理と使用に係る技術指導が行われました。本件無償資金協力では、車両の整備・改造・技術指導員の派遣に供与された資金が使用されています。この協力により、救急・消防隊員の能力が強化され、適切な救命活動につながることが期待されます。
式典後の集合写真
当館から車両の鍵が、蔵王町より車両の目録がオイロー副大統領兼司法大臣へ手渡されました
短期研修2日目終了後の集合写真
「パラオ共和国中古消防車・中古救急車整備計画」署名式
2019年9月17日、在パラオ日本国大使館にて、令和元年度草の根・人間の安全保障無償資金協力による「パラオ共和国中古消防車・中古救急車整備計画」の契約の署名が、柄澤大使とオイロー副大統領兼司法大臣との間で執り行われました。式典には、署名者の他、パラオ側より副大統領府職員及び司法省関係者が出席しました。
司法省公安局消防・救助課が所有する消防車は、いずれも1980年製と古いため老朽化が著しく、エンジントラブルなどの問題が頻発しています。その結果、火災現場において初期消火が間に合わない事案等が発生しており、消防・救助活動に支障を来しています。また、消防車は消防隊員と整備士による定期点検やメンテナンスが行われていますが、老朽化や、車種が古いために必要部品が手に入らない等の理由により修理不能な状態で、いずれの車両もいつ動かなくなってもおかしくない状況です。パラオで唯一消火・救助・救急活動を行える同課が所有する車両が上記のような状態にあることは、国民の安全な暮らしを脅かしていると言え、適切かつ迅速な消化活動を行える車両の整備は同課にとって喫緊の課題です。
また、同課は年間約1460件の救急車の出動要請に対応していますが、出動要請の多くはコロール州内や近隣州などの人口が多い地域に集中しています。同課が所有する救急車5台のうち1台はガラスマオ分署に配置されている上、1台で搬送できる人数は限られていることから、大きな事故発生時にコロール本署で対応できる車両の絶対数が不足しています。
供与額998万8,000円の本件協力を通して、パラオ司法省の消防・救助課に中古消防車1台及び中古救急車1台が供与されます。これにより、初動対応の迅速化や消火活動の質の向上が実現し、適切な救命活動につながることが期待されます。
なお、本件で供与される車両2台は、来年の東京オリンピックでパラオ選手団のホストタウンの1つに登録されている宮城県蔵王町から寄贈されるもので、車両到着時には蔵王町の救急救命士と消防隊員による現地救急・消防隊員への短期研修も行われる予定です。
パラオでは、平成11年に初めて草の根・人間の安全保障無償資金協力が実施され、本件は78件目の案件署名となりました。

