JICAボランティアエッセイ(郡司惠SV)
パラオでの協力活動
郡司惠
2016年10月4日の深夜に薄暗いパラオ国際空港に到着しました。グアムでの乗継便が大幅に遅れたため、予定より4時間近くもパラオ到着が遅れたのです。真っ暗な道をコロールまで車で移動したのですが、日本の自宅からは長い時間が経過していました。
翌日から約2週間のオリエンテーションを受け、10月17日より配属先のパラオ公共事業公社( Palau Public Utilities Corporation : 以下PPUC) の電力発電部(Power Generation Division)で技術アドバイザーとして協力活動をすることになりました。PPUCの事業は、電力発電、電力送配電、上水道、下水道のインフラ4事業を所轄するパラオ唯一の会社です。私が所属する電力発電部にはマラカル発電所とアイメリーク発電所に各10MWのディーゼル発電機があり、バベルダオブ島とコロール州に電力を供給しています。また、カヤンゲル発電所、ペリリュー発電所、アンガウル発電所の離島にも発電所があります。
マラカル発電所に事務所を置き、私の協力活動が始まりました。当初は、マラカル発電所をはじめとして、発電所内は整理整頓されていませんでした。そこで、KAIZEN活動を始め、そのうち、『5S活動』と『仕事の見える化』に力を入れてきました。『5S活動』を理解しやすく『3C Activities』(Clean:清潔, Clear:整理整頓, Continue:継続)と簡素化して説明して、いまでは各発電所が少しづつ自主的に『3C Activities』を実施しています。
また『仕事の見える化』も書類や取扱説明書の整理整頓、月次計画の表示等少しずつですが、進めています。その他、人材の育成や離島の発電所の整備計画・実施等、道半ばの活動もありますが、後任ボランティアにバトンタッチします。
離島の発電所には何度も出張し、多彩な青の海に毎回感動したり、荒れた海に困らせられたことも度々ありました。 いまではそれもいい思い出です。無事に2年間の活動を終えることができましたのもパラオの同僚や関係各位のご支援があったからだと実感しています。最後になりましたが、厚く御礼申し上げます。