草の根・人間の安全保障無償資金協力「パラオ水質環境改善計画」


草の根・人間の安全保障無償資金協力「パラオ水質環境改善計画」引渡式
2018年3月23日、パラオ環境保護委員会オフィスにて、平成29年度「パラオ水質環境改善計画」の引渡式が執り行われました。式典には、当館より山田大使、パラオ側より同委員会のログザンヌ・ブレサム執行役員、ベンジャミン・ヨベック会長等が出席しました。
本件を通じて、細菌培養器、オートクレーブ及び水質検査用車両が同委員会に供与されました。同委員会では昨年の干ばつ時に出来るだけ多くの水質検査を行うことを目標としていましたが、保有していた細菌培養器では1日20回程しか検査をすることが出来ず、十分に対応出来ませんでした。また、2台所有しているオートクレーブの内1台は故障のため使用不可となっており、もう1台は消毒機能に不具合が生じ使用することが出来ない状態でした。加えて、水質検査時に使用している車両は、走行距離が20万キロを超えており、エンジン及びアクセル異常のため、未舗装道走行時は途中で故障し、立ち往生する事態が頻発していました。こうした状況を改善するために、今回供与された機器及び車両が活用されます。
式典当日は、快晴の青空の下、出席者に見守られながら引渡式を実施することができました。本件の実施により、常時ひいては干ばつ時に遠方の州での飲料水の水質検査を行うことが可能となり、パラオの水質環境が改善されることが期待されます。
草の根・人間の安全保障無償資金協力「パラオ水質環境改善計画」署名式
2017年11月22日、在パラオ日本国大使館にて、平成29年度「パラオ水質環境改善計画」契約の署名が山田大使とパラオ環境保護委員会のログザンヌ・ブレサム執行役員との間に執り行われました。式典には、当館より山田大使、パラオ側よりベンジャミン・ヨベック同委員会会長等が出席しました。
パラオでは現在でも上水施設へのアクセスが困難なコミュニティが多数存在し、水タンクの水を飲料用として使用している地域が多くあります。2016年の干ばつ時に同国唯一の水質検査機関であるパラオ環境保護委員会が行った検査では、バベルダオブ島に所在する学校の60%及び住居の85%の飲料水から、基準値を超える大腸菌群が検出されました。そのため、同委員会では出来るだけ多くの水質検査を行うことを目標としていましたが、現在保有している細菌培養器では1日20回程しか検査をすることが出来ず、十分に対応出来ませんでした。また、2台所有しているオートクレーブ(高圧蒸気減圧器)の内1台は故障のため使用不可となっており、もう1台は消毒機能に不具合が生じ使用することが出来ない状態です。加えて、水質検査時に使用している車両は、走行距離が20万キロを超えており、エンジン及びアクセル異常のため、未舗装道走行時は途中で故障し、立ち往生する事態が頻発しています。
供与額6,891,280円の本件協力を通して、細菌培養器、オートクレーブ及び水質検査用車両がそれぞれ1台ずつ同委員会に供与されます。本件の実施により、常時ひいては干ばつ時に遠方の州での飲料水の水質検査を行うことが可能となり、パラオの水質環境が改善されることが期待されます。
パラオでは、平成11年に初めて草の根・人間の安全保障無償資金協力が実施され、本件は68件目の案件署名となりました。