デング熱の流行について(7月30日現在)
平成29年8月2日
7月30日、パラオ保健省は、7月25日に引き続き、デング熱流行に関する2016年 10月から 2017年 7月 30日までの統計を発表しました。それによると、2016年10月以降の感染者数は411名となり(7月25日現在399名から12名増)、デングウイルス感染症に起因する合併症による3例の死亡も報告されています。
7月1日~30日の感染では、コロール州が76%と依然多く(7月25日現在74%40名から50名に増加)、アイライ州、ペリリュー州、ガッパン州と続いています。また、6月1日~7月30日の感染では、10歳から29歳が43%を占め、男性57%、 女性43%の男女比となっています。
7月1日~30日の感染者数は66名であり(7月25日現在54名)、5月74名、6月122名に比べて縮小の兆しは見られますが、在留邦人の皆様におかれましては引き続き感染予防に努めてください。
蚊が媒介する病気に関する問い合わせはCommunicable Disease Unit(488-2450)、デング熱予防や、蚊の発生防止に関する情報はDivision of Environmental Health, Vector Control and Prevention Program (488-6073/6345)までお問合わせください。
7月1日~30日の感染では、コロール州が76%と依然多く(7月25日現在74%40名から50名に増加)、アイライ州、ペリリュー州、ガッパン州と続いています。また、6月1日~7月30日の感染では、10歳から29歳が43%を占め、男性57%、 女性43%の男女比となっています。
7月1日~30日の感染者数は66名であり(7月25日現在54名)、5月74名、6月122名に比べて縮小の兆しは見られますが、在留邦人の皆様におかれましては引き続き感染予防に努めてください。
蚊が媒介する病気に関する問い合わせはCommunicable Disease Unit(488-2450)、デング熱予防や、蚊の発生防止に関する情報はDivision of Environmental Health, Vector Control and Prevention Program (488-6073/6345)までお問合わせください。
(参考資料)
1.デング熱について
(1)感染源
デング熱はデングウイルス(フラビウイルス属で1~4型まである)を持つ蚊(ネッタイシマカ、 ヒトスジシマカ等)に刺されることで感染します。感染は必ず蚊が媒介し、人から人への直接感染はありません。一度かかると免疫ができますが、異なった型のデングウイルスに感染した場合は再発症します。デング熱を媒介する蚊の活動時間は、マラリアを媒介するハマダラカと異なり、夜明け少し前から日暮れまでの間(特に朝と夕方)です。ただし、室内にいる蚊は、夜間でも刺すことがあるので注意する必要があります。
(2)症状
デングウイルスを保有した蚊に刺されて感染してから発症するまでの期間(潜伏期間)は、通常3~7日です。症状は、急激な発熱(38~40度)に始まり、頭痛(一般的に目の奥(眼窩)の痛み)、関節痛、筋肉痛、倦怠感を伴います。発熱は3~5日間継続し、解熱とともに痒みを伴ったハシカ様の発疹が、熱の下がる頃に胸部や四肢に広がることがあります。また、食欲不振、全身倦怠感は1~2週間続き、血小板が減少した例では、鼻出血、歯肉からの出血、生理出血の過多を見ることもあります。通常、これらのデング熱の症状は1~2週間で快復し、後遺症を伴うことはほとんどありません。デングウイルスに感染しても症状の出現しない例(不顕性感染)も多いようですが、その頻度については不明です。
(3)治療方法
デング熱には特効薬がなく、一般に対症療法が行われます。特別な治療を行わなくても重症に至らない場合が多く、死亡率は1パーセント以下であると言われています。ただし、時折デング出血熱という重篤な病気に至ることがあります。デング出血熱は、口や鼻等の粘膜からの出血を伴い、死亡率の低いデング熱と異なり、通常でも10パーセント前後、適切な手当てがなされない場合には、40~50パーセントが死亡すると言われています。デング出血熱は発熱して2~7日後に発症することが多いようですが、デング熱にかかった人がデング出血熱になるかどうかは事前に予測ができません(大人よりも小児に多発する傾向があります)。発熱が3日以上続いた場合は、医療機関への受診をお勧めします。また、デング熱感染が疑われる場合には、鎮痛解熱剤にはアセトアミノフェンを使用し、アスピリン系の使用は避けてください。
(4)予防方法
デング熱には予防接種も予防薬もなく、蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法です。デング熱発生地域に旅行を予定されている方は、デング熱を媒介するネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等が古タイヤの溝などのわずかな水たまりで繁殖するため、都市部でも多くみられることを念頭に置き、次の点に十分注意の上、感染の予防に努めてください。
●外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし、肌の露出した部分には昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに塗布する。
●室内においても、電気蚊取り器、蚊取り線香や殺虫剤、蚊帳(かや)等を効果的に使用する。
●規則正しい生活と十分な睡眠、栄養をとることで抵抗力をつける。
●突然の高熱や頭痛、関節痛や筋肉痛、発疹等が現れた場合には、デング熱を疑って、直ちに専門医師の診断を受ける。
●なお、蚊の繁殖を防ぐために、タイヤ、バケツ、おもちゃ、ペットの餌皿等を屋外放置しない、植木の水受け等には砂を入れるなどの対策をとる。
2.感染症関連情報等・参考ウェブサイト
厚生労働省検疫所(FORTH) 感染症についての情報「デング熱」
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name33.html
国立感染症研究所 「デング熱」
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ta/dengue.html
以上