パラオ情勢 2016年7月号
平成28年10月4日
※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。
◆政治1.パラオ内政
・補正予算にベルズ副大統領の裁判経費
11日に成立した補正予算に,ベルズ副大統領がシムス前臨時特別検察官(ISP)と法廷で争った際の裁判経費2万5千ドルが含まれていることが判明した。レメンゲサウ大統領は,公務遂行に伴う経費として,国庫からの当該費用支出を擁護した。
・パラオ選手5名がリオ五輪出場
14日,リオ五輪パラオ選手団として,水泳(2名),陸上,レスリング,カヌー(各1名)の4競技に,計5名の選手が出場することが発表された。
・公務員による病気休暇濫用
29日,大統領府はメモランダムを発出し,政府職員による病気休暇濫用の懸念があるとして,金銭の支払い等により医師による診断書を不法に入手することのないよう警告した。
総選挙関連
- チン上院議長による上院選出馬表明(8日)
- ニルマン保健大臣による上院選出馬表明(9日)
- ベルズ副大統領による大統領選出馬表明(21日)
2.パラオ外政
・レメンゲサウ大統領の訪日
レメンゲサウ大統領は,日本財団主催シンポジウムに出席するため,18日から21日にかけて日本に滞在した。訪日中,18日に両陛下との御昼餐,20日に鈴木・三重県知事による表敬を行っている。
・PIF派遣ナウル選挙オブザーバー団へのパラオ参加
9日にナウルで予定されている選挙の監視のため,PIFから派遣されるオブザーバー団に,パラオからウドゥイ・パラオ選挙委員会副委員長が参加した。
・豪州と海洋警備に関する協議
14日,ベルズ副大統領兼司法大臣を筆頭とするパラオ政府団とエミリー・ロゼッティ太平洋島嶼国海上保安局長代行を筆頭とする豪州政府団が,豪州政府が供与する新警備艇の配備やパラオ国家海洋保護区法,日本財団の巡視船供与等を主題とした海洋保安に関する年次協議を行った。
・ネパール人8名の強制送還
23日にマニラ経由でパラオに入国したネパール人男性7名及び女性1名の計8名が,滞在費用の支弁能力に疑いがあるとして,26日,マニラへ強制送還された。ミゼ移民局長代理によると,本件を含む観光ビザによるネパール人の入国が増加している背景には,人的取引が横行している可能性がある。
・米議会にて修正コンパクト協定の承認を求める
地政学的合理性やこれまでの友好関係に鑑み,15年間の協定延長となる修正コンパクトを承認するよう,公聴会においてサブラン米国下院議員が要請した。
◆経済
・スランゲルJr.上院議員,査証料徴収法案撤廃に反対
スランゲル・ウィップスJr.上院議員は,補正予算内で採択された査証料徴収の撤廃と環境影響税徴収実施の延期は,少なくとも1100万ドルの損失を生み出すとして,採択案に反対した。
・2016年のパラオ経済成長率は3%程度へ
14日発表されたアジア開発銀行の報告によると,観光客数の減少などが影響し,2016年の経済成長率は3%程度に留まることが見込まれている。
・強制立ち退き及び低所得者向け住宅ローンの開始
25日,パラオ政府とパラオ住宅機関(Palau Housing Authority)の間で,強制立ち退き者や低所得者向け住宅ローンに関する合意が取り決められた。
・6月の訪問客数
2016年6月のパラオ訪問客の総数は11,383人であり,昨年同期に比べ2%増加した。内,日本人は1,332人(前年同期比7%減),台湾人は1,578人(同67%増),韓国人は758人(同14%減)で,中国本土(含香港・マカオ)からの訪問客は6,294人(同7%減)となり、月間訪問者総数の5割以上を堅持したものの、昨年11月以来、対前年同月比訪問者数は7ヶ月連続で減少傾向にある。
・全日本空輸が8月・9月にチャーター便を就航
全日本空輸株式会社は,8月から9月にかけて,パラオと成田の間で合計4往復(実際は6往復)のチャーター便を就航させると発表した。
・日本企業がLEDライトを寄贈
21日,トラストコーポレーション社の畑中会長が,レメンゲサウ大統領名代であるクアルテイ国務大臣に,同社製品であるLEDライト100個を寄贈した。
・パラオ,寄港国措置協定を批准
11日,ローマで開催された国連食糧農業機関の第32回漁業委員会において,センゲバウ天然資源・環境・観光大臣は,グラジアノ・ダ・シルバ事務局長より,寄港国措置協定の批准を讃えた巻本を授与された。
・中国によるパラオへのパッケージツアー禁止令(報道)
25日,当地紙ティア・ベラウは,21日付新華社報道を引用し,北京市旅遊委員会によるパラオへのパッケージツアー禁止発表について報道した。
・アジア開発銀行中尾総裁が来訪予定
8月10日から12日で,中尾アジア開発銀行総裁がパラオを訪問する。期間中,ADB関連案件の視察を行うと共に,11日には議会で演説を行う予定。
・パラオ・コーブ・リゾートがオープン
1日,74の客室を持つパラオ・コーブ(Cove)・リゾートがオープンし,チン上院議長がリボンカッティングを行った。
・パラオ国際サンゴ礁センターのフォローアップ事業
27日,宮田JICAパラオ支所長はゴルブーパラオ国際サンゴ礁センターCEOとの間に,同センターの施設改善を目的としたフォローアップ事業の実施について合意した。
・台湾が100万米ドル相当の支援
11日,台湾大使館参事官は,クアルテイ国務大臣に,100万米ドル相当の小切手を手交した。これは,2013年度のインフラ支援の最終支払いと2014年度第7次財政支援によるもので,前者は司法長官事務所やベラウ国立病院の修理費などに,後者は在台湾パラオ大使館や大使公邸の借料などに使用されている。
・農業団体が台湾を訪問
11日から17日にかけて,パラオ・台湾農家協会(Palau-Taiwan farmers’Association)の会員が台湾を訪問した。
・台湾の資金援助によるプロジェクト
レメンゲサウ大統領は,完了案件と現在進行中の案件併せて4610万米ドル分が台湾の資金援助により実施されたことを明らかにした。ガラロン州内の配水網整備案件もこの中に含まれている。
◆その他
・ミクロネシア諸島自然交流体験事業の実施
国立独立行政法人国立青少年教育振興機構による右事業に参加するため,26日から8月3日の予定で,本邦児童・生徒16名を含む計25名が当地を訪問した。
・パラオJETプログラム参加者が当地発
31日,本年度JETプログラム合格者のレメリーク氏が当地を出発した。同人は,パラオとして3人目の同プログラム参加者で,ALTとして三重県の公立高校に配置される。