パラオ情勢 2016年6月号
平成28年10月4日
※この月報は、パラオ国内の新聞やテレビ報道をもとに、在パラオ日本国大使館が作成しています。
1.パラオ内政
・新刑務所施設の建設開始予定
8日,ベルズ司法大臣は,プレス会見にて,エサール州に予定している新刑務所の建設を8月より開始することを発表した。コロールに設置されている現刑務所では,近年,収容能力不足が指摘されており,刑務所管理体制及び環境の改善が課題となっている。
・ペリリュー州第12回議会宣誓式の日程が決定
昨年12月のペリリュー州総選挙後,新選出議員間の内部紛争のため,いまだ正式な州議会が未発足となっている問題について,同州議員は,現状を解決するため,7月14日に第12回議会宣誓式を同州にて開催することで一致した。
・高齢者及び障害者をもつ家庭への支援体制強化を求める両院共同決議
上下両院は,レメンゲサウ大統領に対し,高齢者及び重度の障害者向け施設の整備を視野に,予備調査を行うタスクフォースの設置を求める決議を採択した。同決議は,高齢者や障害者を家族の一員にもつパラオ人家庭に対する支援として,長期ケア施設や老人ホームなど様々な選択肢を与えることを目的としている。
・サダン財務大臣が官用車運転中の事故で送検
16日,サダン財務大臣は,本年2月に起こした不注意運転による事故につき,特別検察当局によって起訴された。この事故は,同大臣が官用車を運転中,マダライ地区でコンクリートの塀に衝突したというもの。同大臣は事故の責任を認めており,弁償として破損した官用車の買い換えもすでに行っている。
・外国人渡航者が偽造紙幣所持で逮捕
25日,パラオ国際空港にて,フィリピン行き航空便に搭乗予定だったシリア人及びヨルダン人男性2人が,偽造紙幣6,000米ドルを所持していたため,拘束された。シリア人男性は,シリアとフィリピンのパスポートを所持しており,ヨルダン人男性とともに,難民である旨を主張している。2人は,パラオに1週間ほど滞在していたとみられている。
2.パラオ外政
・レメンゲサウ大統領による米国訪問
レメンゲサウ大統領は,先月31日から今月12日にかけて米国に滞在し,各種行事に参加した。
オレゴン州ポートランドでは,パラオ人コミュニティを訪問し,パラオ大統領の日祝賀行事に参加した。世界海洋デーである8日には,NY国連本部にて,パラオ,セーシェル,グレナダによるイニシアティブであるグローバル・アイランド・パートナーシップ(GLISPA)関連のイベントに,ホストとして出席した。その後,カンザス,アリゾナ,ホノルルのパラオ人コミュニティを訪問し,帰途についた。
・レメンゲサウ大統領による第13回国際サンゴ礁シンポジウム出席
レメンゲサウ大統領は,19日から24日にかけて開催された第13回国際サンゴ礁シンポジウムに出席するため,17日から22日にかけてハワイに滞在した。同大統領は,基調講演を行ったほか,リーダーズ・サミットの議長を務めた。
・エサール州及びアイメリーク州代表団による台湾視察
今月26日から翌7月4日にかけて,アナスタシオ下院議長及びエサール州知事を含む,主にエサール州・アイメリーク州関係者53名から成る代表団が,文化交流のため台湾を訪問し,台湾外交部や文化部,原住民評議会,病院等を視察した。
・小島嶼国(SIS)首脳特別会合の開催
23日から24日にかけて,コロールにおいて小島嶼国(SIS)首脳特別会合が開催され,SISメンバーであるパラオ,マーシャル諸島,ナウル,キリバス,ツバル,クック諸島の代表及びテイラーPIF事務局長,並びにオブザーバーとして本年度PIF議長国のミクロネシア連邦代表が出席した。また,SIS実務者・パートナー対話会合もあわせて実施された。
両会合では,気候変動,労働,保健,海洋,運輸について議論が行われ,その成果として「SIS地域戦略 2016-2020」を採択した。
◆経済
・パラオの経済状況に関する報告書の発表
2日,アジア開発銀行の太平洋民間部門開発計画(Pacific Private Sector Development Initiative)は民間部門評価報告案を,国際通貨基金は4条協議に基づく調査の事前結果を公表した。両者共,観光業とそれに伴う建設業により高い経済成長率を達成していることを認めつつ,迅速な観光政策の見直しを奨励している。
・2016年第2四半期資本改善プロジェクトは3100万米ドルに
メライレイ公共事業局長の報告によると,2016年会計年度第2四半期の資本改善プロジェクトは3100万米ドルに達した。2016年度は,アジア開発銀行による2800万米ドル相当の下水改善プロジェクト,日本による上水道改善計画や海洋養殖普及センター案件,更には,新型巡視艇供与を含む日本財団・笹川平和財団による海上保安課の諸施設の整備が予定されている。
・国家海洋保護区調査・監視計画の設立
6日,ナショナルジオグラフィック関係者等の支援を受け,パラオ国家海洋保護区事務局では,調査や監視に関する計画を設立した。
・環境影響税徴収時期の延期を検討
サダン財務大臣は,観光客が新制度に適応するまでに時間を要するのではないかとの声を受け,7月の通常国会において,環境影響税の徴収実施を来年1月まで延期する可能性を明らかにした。
・税回収率は8割
22日,サダン財務大臣は,2016年度第3四半期中間時点での税収による歳入は,全体の約83%に達していることを明らかにした。最終的には観光客数の減少が税収に影響する可能性はあるものの,現時点では,旅行業者による客室の事前予約などのため税収に大きな影響は出ていない。
・多くの付加事項を抱える補正予算
4260万ドルの補正予算案通過。今次の補正予算には付加事項が多く,定年退職に伴う年金支給額や時期の変更,パラオ国家海洋保護区法で制定された査証料徴収の中止と環境影響税の徴収時期の延期が含まれている。
・ベラウ海底ケーブル公社が予算入手
ベラウケーブル公社は,運転資金として30万5千ドルの予算を受給することとなった。同公社からの要請によると,工事の完了する2017年第4四半期まで収入を得ることができないため予算措置が必要であった。
・マルキョク地区への投資を促進する法律が成立
29日,レメンゲサウ大統領は,首都のあるマルキョク地区への投資に対する免税処置を現行の5年間から10年間に延長する投資促進法案に署名した。
・5月の訪問客数
2016年5月のパラオ訪問客の総数は9,602人であり,昨年同期に比べ38.86%減少した。内,日本人は1,627人(前年同期比29.29%減),台湾人は1,019人(同3.04%減),韓国人は864人(同10%減)で,中国本土(含香港・マカオ)からの訪問客は4,760人(同51.63%減)となり、月間訪問者総数の5割弱を堅持しているものの、昨年11月以来、対前年同月比訪問者数は6ヶ月連続で減少傾向にある。
・インド・フォーティス病院の放射線技師が技術指導
デリーにあるフォーティス大学の放射線専門家であるスリンバサン医師がパラオを訪れ,放射線に関する技術指導を行った。同病院とは,海外搬送の受け入れ先としての交渉も進められている。
◆その他
・アイメリーク小学校生徒がミクロネシア諸島自然体験交流事業に参加
19日から28日にかけて,アイメリーク小学校生徒12名が,独立行政法人国立青少年教育振興機構によるミクロネシア諸島自然体験交流事業に参加するため,日本を訪問した。来月7月には,小学校5年生から中学校2年生までの本邦学生16名が当地を訪問予定となっている。
・東京青年会議所による日・パラオ文化交流祭の実施
24日,当館後援の下,東京青年会議所及びパラオ政府観光局による共催で,日・パラオ文化交流祭が開催された。パラオ小学生を対象にわんぱく相撲が行われたほか,エルグール公園にて日本の夏祭り風の屋台を出店し,来場者を楽しませた。
・自衛隊の輸送艦が来訪予定
Pacific Partnership 2016事業の一環として,7月末から8月中旬にかけて,自衛隊の輸送艦がパラオを訪れ,医療活動,施設補修活動などを行う予定。