◆パラオ便り(2015年4・5月)
天皇皇后両陛下のパラオ御訪問
4月8~9日、天皇皇后両陛下がパラオを御訪問になりました。今回の御訪問は、戦後70年に当たり、戦争によって亡くなられた人々を慰霊し、平和を祈念するため、また、日本とパラオとの友好親善関係に鑑み、実現したものです。パラオ政府からも、両陛下にパラオを御訪問いただきたいとの招請が予てから寄せられており、昨年12月、レメンゲサウ大統領が訪日された際、大統領から両陛下に対して改めて直接御招待の言葉がありました。
御滞在中は、ペリリュー島にて、日本政府により建立された「西太平洋戦没者の碑」、「米陸軍第81歩兵師団慰霊碑」に御供花になりました。また、これらに先立ち、レメンゲサウ大統領夫妻、また、モリ・ミクロネシア連邦大統領夫妻及びロヤック・マーシャル諸島共和国大統領夫妻ともお会いになり、一層の友好親善関係の増進を図られました。
今回の両陛下によるパラオ御訪問をきっかけに、今後我が国とミクロネシア3国との友好親善関係が一層発展することが期待されます。
国費留学生留学説明会
4月下旬、2016年度の国費留学の説明会をパラオ国内の全高校と短期大学にて行いました。1982年にパラオでも募集が始まった同奨学金制度では、これまでに多くの奨学生を輩出しています。今回の説明会には、さまざまな分野で活躍する元国費留学生がかけつけてくれ、自身の経験をまじえながら国費留学の魅力について語ってくれました。説明会に参加した学生たちは、説明に熱心に耳を傾け、質疑応答の時間では積極的に手を挙げる姿や、説明会終了後も職員に話を聞きに来る姿が大変印象的で、日本留学への強い興味・関心を感じさせられました。国費留学生の選考は、今後、書類提出、一次審査(学科・面接)、二次審査と進んでいきます。今回も1人でも多くのパラオ人学生に日本で学ぶ機会を手にしてほしいと思います。


日本酒レセプション
5月13日、大使公邸で日本酒レセプションを行いました。天皇皇后両陛下のパラオ御訪問に際してお世話になった関係者を招待したところ、クアルテイ国務大臣をはじめ総勢40名が集まりました。
田尻大使、クアルテイ国務大臣からのご挨拶に続いて、田尻大使による乾杯の音頭で始まった今回の日本酒レセプション。鳳陽・雪の茅舎・真澄・鶴の里・天山・梵の6種類の日本酒を用意したところ、皆さん興味深そうに杯を手に取り、それぞれの風味を堪能していました。パラオでは口にする機会がほとんどない日本酒独特の風味に、パラオの皆さんからは、私たち日本人とはまた違った反応があり、それぞれ好みの味を見つけて楽しんでくれている様子を見つつ、両陛下のパラオ御訪問により一層強くなった日本とパラオの関係を実感できるひとときとなりました。

(日本酒レセプションの様子)

(グロリア・G・サリー南部女大酋長と歓談する田尻大使)
第7回太平洋・島サミットの開催
5月22~23日、福島県のいわき市にて、第7回太平洋・島サミットが開催されました。太平洋・島サミットとは、日本が太平洋島嶼国との関係を強化する目的で、1997年に初めて開催され、以後3年毎に日本で開催されています。今回も日本のほかに、キリバス、クック諸島、サモア、ソロモン諸島、ツバル、トンガ、ナウル、ニュージーランド、ニウエ、バヌアツ、パプアニューギニア、パラオ、フィジー、マーシャル、ミクロネシア、オーストラリアといった16カ国の首脳等が参加しました。
パラオからもレメンゲサウ大統領夫妻がサミットに参加するために訪日し、太平洋諸島フォーラム(PIF)の議長国として、安倍総理とともにサミットの共同議長を務めました。
本会議は23日に行われ、防災、気候変動、環境問題といった重要課題についての協議の末、「福島・いわき宣言-共に創る豊かな未来-」が採択されましたが、22日には、東日本大震災の被災地を視察し、レメンゲサウ大統領夫妻が参加国を代表して献花を行ったほか、同日晩には安倍総理主催晩餐会が開催され、共同議長としてレメンゲサウ大統領がスピーチを行いました。
今回のサミット開催を通じて、パラオをはじめとした太平洋島嶼国の重要性が改めて認識され、日本との関係強化につながることを期待します。

(安倍総理とレメンゲサウ大統領)
(写真:内閣広報室)

(首脳記念撮影)
(写真:内閣広報室)
©Embassy of Japan in the Republic of Palau
P.O. Box 6050 Koror, Republic of Palau 96940