◆パラオ便り(2014年9月)
日・パラオ文化交流祭
8月22日、東京青年会議所、パラオ政府観光局主催、大使館後援にて日・パラオ文化交流祭が開かれました。このイベントは、日・パラオ外交関係樹立20周年を記念し、日本とパラオの人々の間の交流をもっと深めようというテーマのもと、相撲大会、ナイトマーケットの日本版として実現したものです。
相撲大会は、パラオの子供たちに日本の相撲を体験してもらうおうと、東京青年会議所の人たちが企画してくれたもので、パラオの小学校高学年の生徒を対象にトーナメントを行いました。最初の練習時はとまどっていた子供たちですが、いざ本番となると、白熱した戦いになり、クラスメートや友達に大きな声援を送っていました。東京青年会議所からは土俵や、景品として日本のおもちゃも配られました。
相撲大会の後、夜のベツレヘムパークで日本をテーマに引き続き開かれたナイトマーケットでは、東京青年会議所の人々がもってきてくれた日本の遊びや駄菓子、またパラオに住む人たちによる日本料理、パラオ料理が並べられ、地元の人々だけでなく、旅行者もたくさん集まり、総勢約1600人が参加しました。大きな文化イベントが少ないパラオで、たくさんの人が日本の文化、パラオの文化を楽しんでいる姿に、文化交流の大切さを実感させられる一日でした。

(ナイトマーケット)

(相撲大会)
生け花ワークショップの開催
9月6日、7日の二日間にわたり、大使館とベラウ観光協会の共催で、生け花ワークショップを開催しました。たくさんの色鮮やかな花、植物にめぐまれているパラオで、身近な生活のなかで日本文化に触れてもらおうと、日・パラオ外交関係樹立20周年の一環で企画したイベントです。今回は映画「大奥」のフラワーデザインも手がけられた草月流の華道家である横井紅炎先生が、講師として日本からやってきてくれました。
1日目は、まず午前中に生け花の精神を学んでもらおうと、基本のフォームを紹介し、午後には小さな日本庭園を造るセッションがありました。どちらもまず先生がお手本として作品を作り、それに続いて参加しているみなさんも自分の作品作りに挑戦しました。午前、午後とそれぞれ約50人も参加があり、先生をお手本にしつつ、自分の好きな素材を選び、素敵な作品を作ってくれました。
2日目は、先生によるライブパフォーマンス、コンテスト、そして最後にレセプションを行いました。ライブパフォーマンスは20分間で今回のテーマであった「Green of the Forest」を表現するダイナミックな作品に、観に来てくれた皆さんから歓声があがりました。二日間を通じて、大統領夫人、社会文化大臣といった政府関係者、花が大好きな人々、日本の文化に興味がある人々など、幅広い層の人たちが参加してくれた今回のイベントが、日本とパラオの絆をさらに強くしてくれたことを期待します。

(生花に挑戦するパラオの子どもたち)

(参加者と一緒に)
「パラオ日本友好小学校」の誕生
日本は、パラオに対して毎年様々な援助をしていますが、平成25年度の草の根無償資金協力のプロジェクトのひとつとして、カヤンゲル島のジョン・エフ・ケネディー小学校再建を実施し、8月22日、引き渡し式が行われました。
カヤンゲル島は、コロール州から約90キロ北東に位置する人口約100名の小さな島ですが、去年11月にパラオを通過した台風30号により、大きな被害を受けました。島の唯一の小学校であったジョン・エフ・ケネディー小学校も、全壊し、利用不可能となってしまったため、日本からの援助として、災害時の避難所としても使えるように学校を再建することにしました。
今回の引き渡し式では、再建の完成をみんなでお祝いしたのですが、ひとつ嬉しいサプライズがありました。パラオ政府からの強い希望で、日本への感謝の気持ちとして、この新しい小学校の名前を「パラオ日本友好小学校」(Palau-Japan Friendship Elementary School)とするとの発表があったのです。
日・パラオ外交関係樹立20周年という記念すべき年に、日本とパラオの強い結びつき、特別な関係を実感させられる出来事となりました。今後も、パラオの人々の生活をより良くしていくために、日本は援助を続けていきます。

(新しい校舎と子どもたち)

(下段左端がレメンゲサウ大統領、右側に田尻大使、ソアラブライ教育大臣)
©Embassy of Japan in the Republic of Palau
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