◆パラオ便り(2014年7・8月)
「啓風丸」の見学
7月10日、気象庁海洋気象観測船「啓風丸」が北太平洋海洋での気象観測等の航海途中にマラカル港に寄港しました。同日、伊東船長他乗組員が大使館を訪問し、翌日には、田尻大使と大使館職員が「啓風丸」を見学しました。
総トン数が1,800トン以上もある大型観測船「啓風丸」は、航海を始めて約15年になります。船内には、塩分、水温、深度を連続して計ることのできる電気伝導度水温水深計や、36本の採水ボトルを用いて任意の深さで採水できる多筒採水器など、高度な技術を取り付けた機器がたくさん備えられていました。長年にわたる調査の結果、海水温が上昇し、海水中の二酸化炭素が増えていることが判明しています。これは海中生物にとっての危機と言えます。
14日にパラオを出港した「啓風丸」は、その後ミクロネシアへ向かい、約2ヶ月の航海を経て、日本へ戻ります。今後も「啓風丸」が気象観測に活躍することを期待しています。

(船の前で記念撮影)

(船内の観測室を見学する田尻大使 左)
広島なぎさ高校の訪問
7月は、日本でも学校がお休みとなり、旅行シーズンとなりますが、私たち日本大使館にも、嬉しい訪問がありました。
21日~25日、広島なぎさ高校の16名の高校2年生が、修学旅行でパラオを訪れ、22日、大使館にも足を運んでくれました。大使館職員から、パラオについて、パラオと日本の関係について、また大使館の仕事について説明した後、学生の皆さんが事前に用意してくれていた、パラオにおける生活等に関する質問に答えました。学生の皆さんは、4日の滞在期間中、大使館以外にもロックアイランドや国立博物館等を訪れており、パラオの自然や文化を満喫して帰ってくれたことと思います。帰国後も、皆さんがパラオの魅力を家族や友達にたくさん宣伝してくれることを期待します。

(学生のみなさんと一緒に)
2014年度ミクロネシア諸島自然体験交流事業
7月はもう一つ嬉しい訪問がありました。23日、2014年度ミクロネシア諸島自然体験交流事業に参加する子どもたちが大使館にやってきてくれたのです。大使館では、田尻大使から歓迎の言葉があった後、パラオ、そしてパラオと日本の関係をもっと知ってもらおうと、クイズを交えながら大使館員よりプレゼンテーションがあり、また、パラオで活躍する2名のJICAボランティアから、パラオでのホームステイ体験や、ボランティア活動内容の発表がありました。
ミクロネシア諸島自然体験事業を通じては、毎年、日本の子どもたちがパラオにやってきていますが、今年はペリリュー島に滞在し、パラオの家庭にホームステイをしました。ペリリュー島は、第二次世界大戦の戦場であった歴史的な島で、日本との関係が深い場所です。今回のパラオ滞在は、子どもたちにとって、パラオの人たちとの交流だけでなく、今でも戦跡が多く残るペリリュー島で、日本の歴史を学習する良い機会になったことと思います。

(大使館前での集合写真)
第45回PIF総会の開催
~木原総理特使のパラオ訪問~
7月29日から8月1日にかけて、パラオにて第45回太平洋諸島フォーラム(PIF)総会・関連会合が開催されました。
PIFというのは、大洋州諸国のリーダー達が対話を行う会議のことで、現在は16カ国・地域が参加しており、毎年開かれています。今年はパラオが主催する番で、29日に開会式、30日に総会本会議、31日に首脳リトリート、そして8月1日に、PIFメンバー以外の国と話し合う域外国対話が実施されました。日本も、重要なパートナーとして、この域外国対話に参加すべく、日本より、総理特使として、木原外務大臣政務官が参加しました。木原特使は、域外国対話にて、日本と島嶼国との協力関係の重要性を強調するとともに、来年日本で開催される第7回太平洋・島サミットへの関係各国首脳の参加・協力を呼びかけました。
また、木原特使は、PIFのためにパラオに集まった島国・地域のリーダー達と対話をするため、レメンゲサウ・パラオ大統領をはじめ、トゥイラエパ・サモア首相、タランギ・ニウエ首相、モリ・ミクロネシア大統領、ムラー・マーシャル保健大臣(前外務大臣)と二国間会談を行いました。また、旧海軍墓地における献花、パラオに住む日本の方々との懇談の機会もありました。
このPIF総会は、毎年開催されていて、来年はパプアニューギニアで行われますが、これからも日本が、パラオをはじめとする島国との関係を深める貴重な場となることが期待されます。

(左から、田尻大使、木原総理特使、レメンゲサウ大統領、クアルテイ国務大臣、 マツタロー在京大使)

(域外国対話の様子)
©Embassy of Japan in the Republic of Palau
P.O. Box 6050 Koror, Republic of Palau 96940