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◆パラオ便り(2013年6月)

「パラオの東京オリンピック支持」

 世界中で東京への2020年オリンピック招致活動がくり広げられるなか、6月22日、パラオでは国内オリンピック委員会主催による年間スポーツ選手の表彰式が行われ、様々な競技の優秀選手や、支援団体や指導者にトロフィーが贈られました。大使館からも多くの館員が出席し、貞岡大使からテメニル文化大臣や同委員会の会長であるキョウタ下院議員に東京オリンピック招致の公式ピンバッジを渡しました。するとその後、開会のスピーチのなかで、キョウタ会長から東京オリンピックを支持するという嬉しい言葉がもらえました。今年2月にも、レメンゲサウ大統領から安倍総理にパラオの東京オリンピック支持が伝えられていたこともあり、日本に対するパラオの変わらない応援に、励まされる思いでいっぱいとなりました。

(女性ベスト・プレーヤー賞受賞者)

(左から:キョウタ会長、貞岡大使、テメニル大臣、
ケルダ-マンズ副会長)



「フィッシング・ダービー 」

 豊かな海に囲まれたパラオでは、スポーツ・フィッシングも盛んで、1991年から続く伝統のあるフィッシング・ダービーが毎年開催されています。このパラオで最大の釣りの大会には、パラオだけでなく、日本、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦など各国から釣り愛好家が集まり、チームごとにボートに乗り、制限時間内の釣りの成果を競いあいます。今年も5月25日、26日に大会が行われ、男性部門で77チーム、女性部門で12チーム、子供部門で12チームが登録し、総勢391人の釣り人が参加しました。 男性部門で優勝したのはペリリュー州の男性チームで108キログラムのカジキマグロを仕留めました。

(女性部門の優勝チーム(総重量))

(男性部門の優勝チーム)

「ガラロン州に名古屋大学マルチパラメータレーダを設置」

 日本に影響を及ぼす多くの台風はパラオよりも北(高緯度)側で発生しますが、台風の種となる積乱雲の塊(クラウドクラスター)の中にはパラオ周辺で発生・発達するものがあります。クラウドクラスターの中で台風の種となる渦はどの様に形成されるのかについては分からないことが多くあります。2012年度から2014年度までの3年間にわたって、名古屋大学地球水循環研究センターと独立行政法人海洋研究開発機構が協力し、パラオにおいて台風が発生する過程についての研究を行っています。その一環として、2012年3月に名古屋大学のマルチパラメータレーダがガラロン州に設置されました。マルチパラメータレーダは雨雲の中の風の分布や雨粒・雪の形を観測することができる最新の気象レーダです。2013年5月30日、ガラロン州のレーダサイトにおいて、ガラロン州知事、州選出下院議員、ナカムラ元大統領、大使館の安沢参事官、地元の方々など総勢40名以上が参加し、レーダの開所式が行われました。当日は午前中にスコールがあったものの開所式の時間には天候も回復し、無事に開所式が行われました。

(開所式でのリボンカッティング)

( マルチパラメーターレーダー)

「海洋地球研究船「みらい」の寄港」

 独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の海洋地球研究船「みらい」は、約1ヶ月間パラオのEEZ内で気象観測等の調査を行うため、6月10日にマラカル港に寄港しました。 「みらい」は1997年に原子力船「むつ」を改造して造船された、全長128メートルに及ぶ日本最大級の大型観測船です。激しい揺れや荒天時でも気温、湿度、雨量、雲の高さ、海水温などを正確に測定する様々な最先端観測機が備え付けられています。中でも、雨の動きなどを観測するドップラー・レーダーが常設されている船は、世界で「みらい」のみです。
観測で集計された様々なデータから、熱帯で顕著に見受けられる大気・海洋変動のメカニズムの解明や、地球温暖化の予測を高精度化することが期待されています。

(マラカル港に寄港する「みらい」)

(船の見学をする貞岡大使(写真左))

( ドップラー・レーダー)