◆パラオ便り(2012年2月)
「日本映画上映会」
(多くの方にご来場いただきました)
2月22日、コロール州政府集会場で2012年度第1回目の日本映画上映会を開催しました。映画館もなく、日本の番組もNHKやアニメしか放映されていないパラオで、日本の映画を鑑賞する機会はほとんどありません。そんなパラオで今回上映を行った映画は「のど自慢」です。「のど自慢」は、パラオでも放送されているNHK“のど自慢“に出場するために、様々な事情を抱えた人々が、予選に挑む様子を描いたコメディーで、劇中では日本の演歌など多くの歌が流れました。
会場には、日本語を流暢に話すパラオ人の高齢者の方々や、在留邦人を含め、50名の様々な国籍の方が来られ、映画「のど自慢」を鑑賞しました。特に、日本統治時代を経験し、日本文化に親しみを持つ高齢者の方々にとっては、日本の演歌など、昔を思い出す懐かしい内容だったようです。また、上映は昔ながらの映写機とフィルムを使って行われ、来場された方たちは、休憩時間に映写機を見物されるなど、映画共々楽しんでいただけたようです。今後、3月2,3日にペリリュー州、3月8日にはイボバン・バイで映画上映会が開催されます。
「帰国留学生の集い」
2月23日、日本に留学経験のあるパラオ人の同窓会が開催されました。昨年までは日本の文部科学省の制度による国費留学生のみの集まりでしたが、今年は私費留学生も招待され、ムリブ・メトゥール上院議長をはじめとする各界の第一線で活躍する元日本留学生26名が集いました。懇親会の中では、出席者が1人ずつ自己紹介を行い日本で学んだことや思い出、今後の抱負を、何年も前に学んだ日本語を交えながら語り合いました。また、今年から日本へ行く留学生も覚え立ての日本語で挨拶をし、帰国留学生達からは多くの励ましの言葉がかけられました。日本に関するクイズも行われ、日本の最近の話題や文化の話で盛り上がるなど、和気あいあいとした雰囲気の中で、年に一度の懇親会は終了しました。
海外で生活する人も多く、日々の仕事に追われ、なかなか一同に集う機会がない帰国留学生たちですが、今回の懇親会で数年ぶりに再会したと言う方も多く、帰国留学生同士の親交を更に深める良い機会になったようです。これからも、日本で得た知識や経験を生かし、様々な分野での活躍されることを期待します。

(スピーチをするメトゥール上院議長)
(集合写真)
「日本遺族会によるオメケサンへの車椅子寄贈」
2月18日から25日にかけて、日本遺族会より「平成23年度パラオ諸島慰霊友好親善訪問団」がパラオを訪問されました。1週間の日程中には、コロール州やペリリュー州の慰霊巡拝や学校訪問の他、パラオの障害者団体オメケサンへの車椅子の寄贈が行われました。
オメケサンは、まだ余り進んでいないパラオにおける障害者保護を目的としたNPO団体です。今回の寄贈は日本遺族会による2回目の車椅子寄贈となりました。20日にオメケサン本部(コロール州ミューンズ地区)において引き渡し式が実施され、23日には懇談会が行われました。懇談会には今回の車椅子を受け取った少女も参加し、参加者による歌や踊りも加わって非常に和やかな会となりました。懇談会で、オメケサンの代表、ヴィラニー・レメンゲサウ会長は、今回の車椅子の寄贈と日本遺族会による継続的な支援に感謝を述べ、オメケサンはまだ結成されて日の浅い団体ですが、今後も引き続き日本遺族会と交流ができることを願っています、と話しました。
オメケサンはパラオ語で「一歩を踏み出す」と言う意味ですが、オメケサンが今後一歩、二歩と歩みを進めていくにあたり、日本遺族会による支援は非常に大きなサポートとなるでしょう。今後も二団体の更なる交流が期待されます。

(車椅子の引渡し式)

(懇談会にて)
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