◆パラオ便り(2011年11月)
「日本フェアー」
11月5日、アイメリーク州にある発電所で火災が発生し、発電機が使用できなくなった結果、残りの発電所だけでは必要な電力が賄えない状況となり、現在パラオでは大部分の市民が居住するコロール州とバベルダオブ島において、1日数時間の計画停電が行われています。

そのような状況の中、11月19日に大使館主催の文化行事、“日本フェアー2011”が開催されました。この日本フェアーは大使館が昨年より行っている最も大きな文化行事で、パラオの人々に日本文化を紹介し、日本とパラオの友好関係を更に深めることを目的としています。今年は例年に比べ、会場も一段と大きいガラマヨン文化センターを利用し規模が大きくなりました。当日は12時半の開場前から多くの人が集まり、最終的には700名以上の方が来場されました。
ヤノ国務大臣も来られ、冒頭に貞岡大使とともに挨拶をしました。また、日本語補習校の生徒さんが日本の歌を合唱、JICA隊員2名が、それぞれの故郷(岩手、福岡)の魅力を紹介しました。この他、昨年の日本フェアーでの故郷紹介の際に来場者の関心を集めた北海へそ踊りを、JICA隊員とパラオ人のグループが実際に披露してくれました。音楽が流れ始め、グループが入場した時には、観客から大きな歓声と笑い声が起きました。
今回の日本フェアーには、多くのパラオ人の方も出演してくださいました。オープニングを飾ったのは、パラオ人高校生グループによる劇です。パラオの中でもよく知られている日本の有名な昔話「桃太郎」を演じ、イベントの開始を盛り上げてくれました。パラオ柔道連盟による迫力ある柔道パフォーマンスでは、一つ一つの動きに、多くの子供達が圧倒され、大きな歓声が沸き起こりました。そして、3月11日の震災後、学生大使として日本の被災地を訪れたパラオ人学生が体験を紹介したプレゼンテーション、“Remember March 11“では、写真などを交えながら、震災が残した爪跡と、復興に向かう日本の学生達の様子が語られました。また、日本統治時代に日本語教育を受けていたパラオ高齢者センターの方々も元気よく日本の歌を合唱してくれるなど、人口約2万人の小さな国の中で、改めて日本とパラオのつながりの深さを感じることができました。

休憩時間には、折り紙、あやとり、ヨーヨー釣りやけん玉などの日本の伝統的な遊びを体験し、自分の名前をカタカナで書くコーナーやお寿司や卵焼きなどの日本食の試食、お雑煮作りやお餅つきのデモンストレーションなど、短い時間の中で様々な催しを楽しんでいました。
イベントの最後には、JICA隊員による「世界に一つだけの花」と「見上げてごらん夜の星を」と、パラオ人歌手による「なだそうそう」と「愛しのエリー」が演奏され、観客からの大きな拍手のなか幕を閉じました。計画停電など大変な時期の中での開催でしたが、来場者の皆さんに笑顔と笑い溢れる良いイベントとなりました。

「空港太陽光発電(ソーラーパネル)設備引き渡し式」

日本の環境プログラム無償資金協力によりパラオ国際空港にソーラーパネルが設置され、その引き渡し式が17日に同国際空港で行われました。パラオ側からはトリビオン大統領、大首長、各閣僚など、日本側からは貞岡大使をはじめ、建設に関わった各企業の関係者の方々が出席しました。式典では大統領、大使などが法被をはおり、鏡開きを行った後、出席者に日本酒がふるまわれました。ソーラーパネルは約4億8千万円をかけて設置され、225キロワットの発電(日本の住宅100棟分の消費電力量に相当)が可能となりました。既にソーラーパネルにより発電した電力は、空港の運営に活用されています。日本の環境プログラム無償により建設している世界28カ国の太陽光発電設備の中で、パラオ国際空港のプロジェクトは完成第一号となりました。また、空港のロビーには液晶ディスプレーが設置され、発着便のスケジュールを確認できるようになり、観光客の方や送迎に出向く市民からも「便利になった」との声が寄せられています。


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