◆パラオ便り(2011年8月)
「パラオから初めてのJET参加者が日本に向けて出発」
みなさんは“JETプログラム”という言葉を聞いたことはありますか?正式名称は語学指導等を行う外国青年招致事業(The Japan Exchange and Teaching Programme)といいます。このプログラムは、海外から語学指導や国際交流活動を行う参加者を募集し、小・中学校や高等学校で外国語指導を行う外国語指導助手として、地域交流を行う国際交流員として、そしてスポーツを通じて交流を行うスポーツ国際交流員として、様々な分野で活動を行います。そして彼らの活動を通じ、日本の教育機関での外国語教育を充実させ、地域レベルでの国際交流を活発化することを目的としています。2010年7月時点で、36ヵ国から招致された4,334人のJETプログラム参加者が日本の各地域で活躍しています。

(参加者のYamanguchiさんと貞岡大使)
そのJETプログラムが、今年度より、初めてパラオでも募集されることになり、募集・選考の結果7月31日にパラオから、初のJETプログラム参加者が日本に向けて出発しました。彼女は日本の兵庫県の網干高校にて外国語指導助手として働くことになります。出発前には、記念のチケットの引渡式が大使館にて行われました。貞岡大使より、初のJETプログラム参加者として、大いに活躍を期待していますとメッセージを伝え、Ms. Deidre Yamanguchiさんからは、外国語指導助手としてだけでなく、文化大使としてもパラオについて子供達に伝えていきたいと豊富を語ってくれました。これをきっかけに、多くの人がパラオを始めとした太平洋地域に目を向け、人的・文化的交流が盛んになり、二国間の繋がりがより深いものとなるでしょう。
「パラオ電力公社へ発電機の引渡し式」

(引渡し式の様子)
東日本大震災以来、日本において電力供給がひっ迫し、国民の生活が大きな不便を強いられて大変なことと思われます。ここパラオでも電力事情が悪く、数年前までは計画停電が行われていました。パラオ電力公社の経営体制の立て直しや日本からの協力により改善されてきましたが、まだまだ住民にとってはやっかいな問題です。
8月中旬、パラオ電力公社が購入した5メガワットの発電機2台の引渡し式が行われました。式典には、トリビオン大統領も出席し、テス・エンジニアリング株式会社(本社 大阪市)の石脇 秀夫代表取締役社長よりパラオ電力公社メラレイ取締役会会長に引渡されました。発電機2台の運転状況はオンラインでリアルタイムに日本からもモニターできるそうで、またテス・エンジニアリングの技術者よりパラオ側スタッフに丁寧に技術指導が行われ、日本ならではの責任ある、きめ細かい対応振りで、パラオ側関係者もさすが日本だと感心をしていました。テス・エンジニアリング株式会社様、今後ともパラオの電力事情をよろしくお願いします。
「日本人グループがパラオの高齢者を元気づける」

(ふれあいの様子)
8月2日火曜日パラオの高齢者センターにて、有泉祥子氏を代表とする日本人グループ(人間機能研究所)がパラオ人高齢者と文化交流を行いました。今回のグループには日本から24人が参加し、歌や踊りだけでなく鍼灸師を同行し、高齢者の方々に鍼灸なども施しました。当日一行は歌や踊りなどを披露し、パラオ人高齢者は伝統的な歌とダンスのおもてなしで歓迎しました。この会には、貞岡大使及びファウスティナ・ルール・マルグ社会文化大臣が出席しました。

(みんなで日の丸の旗などを歌いました)
この訪問の様子は8月5日付のIsland Times紙一面に掲載されました。同記事によれば、有泉氏は、「昨年パラオを訪れた時、パラオはとても自然が美しく、パラオの文化に畏敬の念を抱きました。そこで、日本に帰国した後、自然を堪能するためにパラオを訪れるだけでは無く、パラオの人々、特に高齢者の方々と交流し、彼らの文化や伝統を学ぶ為に日本中から人を集めこのグループを立ち上げました。」と語っています。またマルグ大臣は、一行に感謝の意を表すとともに、このイベントは日本人とパラオ人の親密さを表していると述べています。有泉氏一行は、ここ数年続けてパラオを訪問しており、今回の高齢者センター訪問は昨年に続いて2回目の訪問です。
「JENESYSプログラムによる防災研修にパラオ人4名が参加」

(貞岡大使に送り出される4人)
パラオから今年も4人の若者がJENESYSプログラムを通じて日本へ行き、防災に関する研修を受けました。JENESYSとは、東南アジア・太平洋等諸国のそれぞれの地域からその年のテーマに関連した職務に就いている若者を日本へ招き、交流をしながら日本の技術を学んでもらうというプログラムで、今年は7月6日から14日にかけて実施されました。4人の参加者は、それぞれNEMO(国立緊急対応管理室)や教育省、コロール州政府など、様々な職場で防災管理を担当しています。

(プレゼンの様子)
1週間あまりの研修を受け、戻ってきた4人は、日本で学んだ貴重な体験を、是非より多くの人に知ってもらいたいと、8月3日にパラオのまりウール副大統領をはじめとする防災担当者向けにワークショップを開催しました。ワークショップの発表によると、それぞれの参加者は北海道・静岡・愛知・兵庫を訪れ、日本の防災施設のすばらしさやコミュニティの連携の大切さを学んだそうです。パラオは地震や津波などの災害にこれまであまり被害を受けたことはありませんが、今後そのような災害に見舞われる可能性もあるため、現在防災対策が進められており、そのような中で彼らの知識・経験が必ず生かされていくことでしょう。
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