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◆パラオ便り(2011年5月)

パラオの募金活動の様子

(パラオの募金活動の様子)

 3月11日の東日本大震災から2ヶ月が経ちました。被災者の方々にとっては、震災後長くつらい日々が続いていることと思います。と同時に、日本国内外からの多くのボランティアと共に復興に向け前へ踏み出そうとしています。そんな日本を支援しようと、現在も世界中各国から人的、物的支援が届けられています。日本赤十字社に寄せられた義援金は、225万379件、総額2,065億7,993万4,663円(5月24日現在 日本赤十字社)に及び、義援金に加え、救助チームや医療支援チームなどの人的支援や普段の生活に必要な日用品や食品も、日本国内外から続々と届けられています(諸外国等からの支援の状況はこちらから)。

 パラオでも多くの人たちが日本を応援しようと、支援の輪が広がり、様々な支援活動が行われてきました。先月号のパラオ便りでもご紹介しましたが、支援活動には多くの生徒たちも加わっています。震災後、パラオのマリステラ小学校の生徒たちが、日本の震災被害者の為に何かしたい!ということで生徒自ら立ち上がり、先生に相談を持ちかけました。そして、生徒や保護者が協力し、生徒たち手作りのパンやクッキーを販売したり、休日にテントを設けチャリティーバザーを開催するなどの募金活動が行われました。これらの活動で得た収益は、先日パラオ日本人会会長に手渡され、日本の被災者へ寄付されることになります。また先日行われた、日本の草の根無償資金協力で贈与されるスクールバスの引渡式においても、全校生徒から日本への感謝と共に、被災者へのお見舞いメッセージが書かれた手紙を受け取りました。

マリステラ小学校の生徒から日本人会会長へ

(マリステラ小学校の生徒から
日本人会会長へ)

アイメリーク小学校の生徒から届いた手紙

(アイメリーク小学校の生徒から
届いた手紙)

 その他にも、パラオに住む韓国人の方たちからの寄付や、日本にかつて留学していた帰国留学生会主催の募金集めのバーベキューなど、国籍を問わず多くの人が日本支援の活動を行っています。日本人会の支援活動も引き続き行われ、その結果多くの義援金が集まるなど、日本から遠く離れたパラオから、沢山の人が日本の一日も早い復興を応援しています。大震災直後の混乱により多くの在日外国人や大使館が、東京あるいは日本から離れましたが、東京にあるパラオ大使館のウエキ・パラオ大使は日本に留まり、その他の日本に住むパラオ人も誰も日本を離れることはありませんでした。また現在、諸外国の日本製品の輸入制限が問題になっていますが、約60ヵ国の国々が輸入制限を行う一方で、パラオは日本に非常に近い国で多くの日本製品を輸入していますが、日本からの輸入制限措置は一切とっていません。

新聞に掲載された菅首相の寄稿文

(新聞に掲載された菅首相の寄稿文)

 そんな多くの方からの支援に対し、先日菅総理大臣より感謝の意を表明する寄稿文が寄せられ、パラオの主要新聞2紙に掲載されました。また、貞岡大使からは、上院議会でのスピーチにてパラオ政府およびパラオに住む人々の支援に対する感謝の言葉を伝えました。今、被災者に必要なのは、生活に直結した、具体的な支援だとは思いますが、世界中の“日本を支えよう、サポートしよう!”という思いに前へ進まなければと駆り立てられます。パラオはとても小さな国で経済的にも豊かな国ではありませんが、日本の復興を心から願っています。そんなパラオの人たちの心が日本の皆さんに届きますように。そして、少しでも被災者の方々の心に寄り添えますように。