ホーム>ODA>ODA便り>2011年11月太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画

◆パラオ国際空港・太陽光発電設備引渡し式

 平成23年11月17日、パラオ国際空港にて「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」パラオ国際空港・太陽光発電設備引渡し式が実施されました。このプログラムは、「環境プログラム無償」という、日本政府が気候変動に脆弱な途上国等に対し、環境に優しい再生可能エネルギー活用のために資金協力をするプログラムの一貫として実施され、太陽光発電設備としては世界中で第一号の引渡しとなりました。

 引渡し式にはトリビオン大統領、マリウール副大統領、ヤノ国務大臣をはじめ、多くのパラオ政府関係者が訪れ、太陽光設備の完成を共に祝いました。当日は朝から快晴で、さんさんと輝く太陽の下、多数の両国国旗が空高くはためく中、トリビオン大統領や貞岡大使のスピーチが行われ、続いてリボン・カッティングと鏡開きが行われました。鏡開きはパラオでは非常に珍しい行事で、日本酒が大好きなパラオ人からは大歓声が上がりました。

 今回寄贈された設備は、225KVAの出力があり、日本の一般家庭約100戸分の利用電力に相当する電力が発電できます。発電された電力は、パラオ国際空港にて利用され、余剰分はパラオ電力公社を通じて一般家庭へと供給されます。

 駐車場にある太陽光パネルの他、今回は空港内に2箇所のモニターが納入され、そこにはその日の発電量と共に、これまでなかった空港の発着便状況などが表示されるようになりました。モニターに表示される内容は、日本の管理業者からも確認できるようになっており、太陽光発電に異常があれば、日本からもサポートを行える体制が整っています。モニターの横には、本事業が日本とパラオの友好関係のために建設されたことを示すプレートも掲げられています。

 パラオは豊かな自然を最大の魅力とする観光大国であり、環境保全はこの国にとってとても大きな命題です。また小さな島国であるパラオでは、地球温暖化による海面上昇などの問題も将来致命的な問題となることが懸念されています。そのような中で、今回の太陽光発電設備は、パラオと日本の友好関係の象徴となると同時に、パラオを訪れる観光客にパラオの自然保護への姿勢をアピールする格好の設備となりました。パラオがこの美しい自然を保ち、これからも観光客を魅了し続けるため、日本からの贈り物が最大限に活かされていくことが期待されます。