JICAボランティアエッセイ(森迫辰夫SV)

ありがとう、パラオの人々!
JICAシニアボランティア:森迫辰夫
 
「困難を楽しめ!」と、私達はJICA駒ヶ根訓練所で言われました。いつの間にかこの斬新な言葉が私にとっての金言になり、座右の銘にもなりつつあります。私にとっての困難は、一つは英会話、二つ目はIT技術です。特に英会話は今も困難の真っ只中で、パラオの方々に迷惑や不快な思いを掛けっぱなしです。ここパラオに来たら少しはパラオ語もしゃべらないと失礼かな?と、思ってはいるものの英会話がまともに出来ないのにパラオ語まで手が回ら無い状況で今日に至っています。
 
 このパラオに来て多くの優しさに触れました。全ての学校で、いろんな店で、道路で、そして私の職場の教育省で数多くの優しさを経験しました。また、パラオ人の日本人に対する友情も充分に味わうことが出来ました。その一つが7月13日の募金活動の時でした。その1週間前に起きた西日本豪雨災害の復興支援の募金活動をパラオ赤十字社(約30名)が教育省の前で行っていたのです(一日中)。教育省の前の道路の両側で看板掲げて大声で募金をドライバーに促していました。日本の被災者の為に大声を出して頑張っている姿を見て、そして聞いている内に居ても立っても居られず午後から一緒に活動させてもらいました。
 
 日本だと募金活動は通常繁華街の街頭で通行人に声を掛けますが、こちらパラオでは車のドライバーに声を掛け、ドライバーはそれに応じてスピードを落とすか止まるかして窓やドアからお金を渡します。その間渋滞しますが後続の車は決して文句を言ったりクラクションを鳴らしたりはしません。素晴らしい国民性だと思いました。しばらくして、警察学校の若者約20名が隊列を組んで歩いてやって来ました。指揮官の指示で持ち場に着き募金活動を手伝い始めました。日本では絶対に考えられないことです。そのキビキビした動作と所作は小気味いいほどで、私達のモチベーションも更に上がりました。
 
 急に大雨になりました。こちらでは珍しくありませんが、彼らは屋内に避難する気配も見せずずぶ濡れになりながら、雨の音にかき消されないような大声で車に叫んでいました。この姿を見て嬉しくて嬉しくて涙と雨で私もずぶ濡れになりました。信じられないほどのお金が集まりました。私が頂いたお金を数えていましたがそれを忘れるほど次から次に渡してくれました。私だけで約500ドル(約5万5千円)は下らなかったでしょう。
 
 会話の繋がらない困難さ以外は何も不自由しなかったパラオ、人々の優しさを宝とするパラオ、そのパラオと日本の国旗が仲良く並んでいるプレートを橋、道路、建物、車等あちこちで見るたびに、また私のパラオへの恩返しは何だろうと考えるたびにパラオに来て良かったと思う今日この頃です。